こんにちは、円山アカデミーの飯島です。
前回は道産子の英語力の危機的状況についてお伝えしました。よく北海道民はおおらかと言われますが、あまりのんびりと構えていられる状況でもないようです。
では、子供たちは英語の何を苦手としているのでしょうか。
一般的には、日本人はコミュニケーション英語が苦手という意見が強いようです。
本当にそうなのか、文科省の調査結果をみてみましょう。(表1)
中学3年生の場合、意外と「話すこと」は得点できているのがおわかりでしょうか。
A1上位レベル以上(英検3級程度以上)の生徒の割合を比べてみると、
読むこと : 13.2%
聞くこと : 16.6%
書くこと : 17.3%
話すこと : 31.2%
となっています。基本となる「読む」「聞く」「書く」がしっかりこなせる生徒の方が、実は少ないのです。
また、「書く」ことを極端に苦手にしている生徒も多いです。
実に35.1%もの生徒がA1下位(英検5級程度)のレベルにとどまっているということは、中学3年生の3人に1人は中1程度の英作文すらあやしいということです。
確かに高校生の調査だと「話す」が苦手な生徒は増えるのですが、少なくとも『日本の学生は「読み」「書き」はできるけど、「話す」「聞く」ができない』という、よく聞く言説は完全に誤りだといえるでしょう。
考えてみれば私たちは、無意識に自分たちの時代の英語教育を前提に話してしまう傾向がありはしないでしょうか。今の子供たちは間違いなく、昔より英語の「音」に親しむ教育を受けています。「話すのが苦手」という固定観念にとらわれすぎると、英語力向上のために大事なことを見落としてしまう可能性がありますね。
次回は、英語力が上がらない本当の原因は何かについて私なりの考えをお伝えしたいと思います。
ありがとうございました。