スマホの使い方次第で・・・ 2 時間の学習効果が消える!?

 こんにちは、円山アカデミーの西田です。 今回はスマホの使用時間学習効果の関係についてお話ししようと思います。

 まずは下のグラフをご覧ください。

「数学の平均点」と「スマホの使用時間」の関係のグラフ

 これは仙台市教育委員会と東北大学が実施し、「脳トレ」で有名な川島教授が発表した調査で、 「数学の平均点」と「スマホの使用時間」の関係をまとめたグラフです。

 この中から、スマホの使用時間が「1 時間未満」と「4 時間以上」の部分のみ抜き出してみましょう。

「1時間未満」と「4時間以上」の比較グラフ

 ここから何がわかるでしょうか?
 「スマホの使用時間が 1 時間未満で学習時間 30 分未満の生徒」と「スマホの使用時間が 4 時間以上で学習時間 2 時間以上の生徒」を見比べると、学習時間が 1 時間 30 分以上違うのにも関わらず、数学の平均点がほぼ同じという結果に見えます。

「1時間未満」と「4時間以上」の比較グラフ

 1日2時間以上の家庭学習をしているのに、ほとんど家庭学習をしていない生徒よりむしろ点数が低いという結 果になってしまいました。

 信じがたいことですが、「スマホ」のせいで勉強時間が無くなり、成績が下がるのではありません。「スマホ」の長時間使用そのものが直接的に成績を下げているようです。 「うちの子は勉強もしているから大丈夫」というご家庭は、ちょっと注意が必要かもしれません・・・。


 次に、コミュニケーションアプリ(LINE など)の使用時間と成績との関係を見てみましょう。

平日のコミュニケーションアプリの使用時間と数学のテスト結果のグラフ

 このグラフからは何がわかるでしょうか?

 

平日のコミュニケーションアプリの使用時間と数学のテスト結果のグラフのその2

 コミュニケーションアプリは使えば使うほど成績が下がるということがわかります。 なお、スマホでゲームを頻繁にすると答えた生徒よりも、LINE などを頻繁にすると答えた生徒の方が成績は低かったようです。   メッセージがきていないか、気になってしまうのかもしれませんね。


 また、このような実験もあります。

 (1) スマホを机の上に置く
 (2) スマホをポケットに入れる
 (3) スマホを別の部屋に置く という状況下でテストを受けてもらい、点数に違いが出るかを実験しました。

 

 この 3 択でのテスト結果はどのようになったと思いますか。
 結果は・・・

 

 (1) スマホを机の上に置く・・・・・・・点数
 (2) スマホをポケットに入れる・・・・・点数
 (3) スマホを別の部屋に置く・・・・・・点数

 

 となりました!

 スマホが近くにあるだけで集中力が散漫になることが、この結果から明らかですね。


 人間の脳は、集中しているものがあれば、その他の情報は自動的に抑制がかかるように出来ています。 逆に言えば、勉強以外の情報が気になっている状況(ながら勉強)では、 必要な集中力が得られないということです。


 歩き「ながら」スマホが危険なのはご存知のとおりだと思いますが、 同様に、勉強し「ながら」スマホも危険だということですね!
 1時間未満の使用であれば成績への好影響が出たデータもあり、 一概にスマホそのものが悪いとは言えません。


 しかし、2 時間を超えるような長時間の使用が成績に悪影響を与えることは間違いないようです。 もしお子様にスマホを持たせるときは、「夜 9 時まで」などのルール作りをオススメします。