自己コントロール力

 

 こんにちは!円アカです!

 

 皆さんは「マシュマロ実験」と呼ばれる研究をご存知でしょうか?この研究は、「非認知能力」と呼ばれる、「忍耐力がある」、「社会性がある」、「意欲的である」などの人間の気質や性格的な特徴のようなもの、一般に「生きる力」と言われているようなものを心理学的な方法を使って、数値化する研究です。そして、この実験では、非認知能力の中の一つである「自制心(自己コントロール力)」が研究されました。

 

 この非認知能力の中核をなすのは「自己コントロール力」であると言われています。自分の情動を適切にコントロールすることは、勉強や仕事に取り組む際にも、人間関係上でも、必要不可欠と言ってよいのではないでしょうか。自己コントロールに関する研究の代表的なものと言えることができるのが、ミシェル教授たちの満足遅延課題を用いた「マシュマロ実験」です。

 

 その実験は、子どもにマシュマロを見せて、今すぐ食べるなら1個あげるが、研究者がいったん席を外して戻るまで待てたら2個あげると告げ、待てるか、待たずに食べるかを試すものです。これは、大きな目標のために欲求充足を先延ばしできるかどうかをみるための実験と言えます。

 

 ミシェル教授たちは、保育園児550人以上にマシュマロ実験を実施し、その子たちが青年期や成人期、中年期になったときにも追跡調査を行いました。

 

 その結果、幼児期により大きな満足のために欲求充足を延期することができた者は、10年後の青年期には、欲求不満に陥るような状況でも強い自制心を示し、誘惑に負けることが少なく、集中すべき場面では気が散らずに集中でき、ストレスにさらされても取り乱さずに建設的な行動を取りやすいことがわかりました。

 

 さらに、20代後半になったときも、幼児期により大きな満足のために欲求充足を延期することができた者は、長期的目標を達成するのが得意で、危険な薬物は使わず、高学歴を手に入れ、肥満指数が低く、対人関係もうまくやっていくことができるというように、自己コントロールがきちんとできていることが確認されました。

 

 その後の追跡調査を見ると、40年後の中年期になっても、幼児期により大きな満足のために欲求充足を延期することができた者は、相変わらず高い自己コントロール力を維持していました。

 

 このように、4〜5歳の幼児期に欲求充足を先延ばしできるか、つまり衝動に負けずに我慢できるかどうかで、10年後や20年後、さらには40年後の自己コントロール力を予測でき、それによって学業・仕事や人間関係を含めた社会での成功を予測できることが示されました。

 

 この種の多くの研究によって、子どもの頃の自己コントロール力が高い者ほど、その後、学業面、経済面、人間関係面、健康面などで成功していることが示されています。

 

 つまり、子ども時代に自己コントロール力が身につくかどうかで、将来社会に出てうまくやっていけるかどうかが予測できるというわけです。

 

そして、この自己コントロール力は勉強にも同じことが言えます。小学生の時の男子ならば「ゲーム」が、中学生の男子ならば「部活動・携帯電話」が「マシュマロ」に主に該当し、女子ならば、小学生の時は「習い事」、中学生のときは「部活動・携帯電話」が、主に該当するのではないかと思います。

 

 「周りがゲームや習い事などで楽しくやっているのに何で自分は勉強をしなければならないのだろう」と誰しもが通る道だと思います。ですが、ここで「自制心(自己コントロール力)」が「ある人」と「ない人」で「大きな分かれ道」があるのは、誰しもが容易に想像がつくのではないでしょうか。1日は24時間しかなく、時間は有限です。ほとんどの人が勉強を通して、将来の自分の姿を決めていくと思います。イソップ童話の「アリとキリギリス」の、夏に遊んで暮らしていたキリギリスのように、結局冬に困ることになり、過去のおこないを後悔することに誰だってなりたくないですよね。

 

 小学生・中学生のときは、「アリとキリギリス」でいえば「夏」です。この「夏」のうちにどのような準備を進めていくのか。「冬」になったときに自分が困らないようにするためには、何が優先順位の上に来るのか。まずは、自分の未来に直接関係することが何なのかをよく考え、「自制心(自己コントロール力)」を持ち、自分の1週間の予定の中で、「やるべきこと」を優先的に予定に入れた後に、「やりたいこと」をその空いているところに入れられる人になっていきたいですね。