円山アカデミーの原点

 前の塾に勤めていたときに、円山地区を担当させてもらったときにずっと感じていた「違和感」。それを改善したい。それが「円山アカデミーの原点」です。

 

 向陵生は、札幌南・札幌北・札幌西・札幌東・市立札幌旭丘のどこかに行きたいと言って、定期テストや道コンで点数を取れただけで喜んで満足している。一方で、北嶺生は、「体系数学(数研出版)」や「ニュートレジャー(Z会)」といった全国の私立の進学校ではよく使われるテキストを使ってガンガン応用問題をやり、「中学・高校アドバンスト(Z会)」などの全国の私立の進学校が受験するテストを受験し、他にも月に1回は最低でも何かしらのテストを受験している。そして、向陵中は1学年300名のうち100名は札幌公立TOP5校に進学し、高校生になり、両者(向陵生、北嶺生)は大学受験で同じような大学(北大以上)に行きたいと言い始める。

 

 何か「違和感」。明らかに後者(北嶺中)が有利で、前者(向陵中)はそれに気付いていない。何かよくわからないが、向陵中の定期テストが出来れば、とりあえずその後(高校進学後も)もうまくいくと思っている保護者もいる。ママ友の噂話に踊らされて、大の大人が本当に何も調べたり、見比べたりしたことがないのだろうなと思う。

 何か聞き、感触の良い言葉だけを真に受けているのだろうなと思う。こういう環境をうまくついて「定期テストの過去問をやるのを売りにしている塾」もある。そういう塾は、「豚もおだてりゃ木に登る」のように、子どもたちをおだてて、札幌公立TOP5校をとりあえず受験させようとする。違和感。でも、そういう塾が何故か評価をされる地区。「同じ問題が出てくることだけを期待」して勉強する当たり前の先には「何も待ってない」のは、北大の赤本を1冊買って自分で解いてみれば一目瞭然。高校の予備校の模擬試験で、前年度の問題から同じものなんて「ただの1問もない」のに・・・。でもそれすら確認しないで、塾の聞き感触の良い話に踊らされてしまう。

 

 話を戻して、でも北嶺の子もシステム上は、難関大学の受験という観点で言えば、向陵生よりも圧倒的に恵まれていても、実際は札幌南や札幌北と大した大学の実績の違いはない。どうしてこういうことが起こるのだろう。通う本人に明確なビジョンがあって通えば天国な環境でも、学校説明会を真に受けて「行ってみたいだけ」だったり、「周りの友だちに流されただけ」の子は、進学後に「思っていたのと違った」と「違和感」をだんだん持ち始めて、次第に勉強しなくなる。

 それが北嶺の中では「A組(1組)」と「それ以外」なんだと思う。定期テストのように範囲が決まったテストでは、塾に来て、正しい対策さえすれば一定の順位にはなるが、模擬試験(アドバンスト、全統模試、駿台中学生テストなど)のように範囲があってないようなテストでは、「本当の学力(偏差値)が出てしまう」ので、一気に学年順位が落ちてしまう。だから、結果的に、学校全体としては、「札幌南・札幌北と同じ程度の大学実績」になってしまう。そうすると、「別に北嶺じゃなくて、向陵に行って公立の高校に行っても、結果的には同じじゃん」と思う北嶺生も毎年半数以上。

 

 でも、「こういう現実ときちんと向き合おう」とする人が少なすぎる。札幌公立TOP5校に入れれば、北嶺中に入れれば、その先(大学受験)は何とかなる。本当に?そんなわけないよね。それは各学校のホームページの大学の合格実績を見れば誰でもわかることなのに、確認もしない人が多すぎる。

 

 でも残念なことに、これが「円山地区の現状」で「現実」だと思う。だから、どうせやるならこの現状を、現実を少しでも「改善できる学習塾」にしよう。「中学受験」、「高校受験」が「学生のゴールではない」ことを伝えていく学習塾にしよう。だって、世の中で評価されるのは「大学」。そしてもっと言えば、「大学の名前」や「大学で勉強したこと」を活用して、どのように社会に羽ばたいていけるかが重要なこと。「札幌公立TOP5校」の名前はただの「高卒(途中経過)」でゴールではない。大事なのは、札幌公立TOP5校の環境をどのように活用して、次の進路に活かすのか。

 

 また、北海道の高校生は、愛知県や沖縄県のように、高校卒業後に地元に残りたいと思っている人は全国でもベスト3に入る。つまり、札幌公立TOP5校に進学する本人たちの本音は、出来るならば「最低でも地元の北海道大学には行きたい」と思っているはず。そして、結局は保護者も最低でも「札幌公立TOP5校に進学=次は難関大学(北大以上)を受験させたい」と、札幌公立TOP5校に合格後に思い始める人が、あくまで経験則だけど多い。でも、道外の学力の高い生徒の受け皿(滑り止め)にされて、道内の生徒は一昔前よりも入れなくなっているのが「道内の子たちの現実」。これを打破し、少しでも子どもたち、保護者様の「この本音を叶えたい」。そのためには、「小学生・中学生から然るべき準備が必要なこと」をきちんと伝えていくことが「重要」なのだと思う。だって、北大以上に合格する道外の生徒は、「駿台中学生レベルの勉強をしてきている」のだから。

 

 これが「円山アカデミーの原点」。なぜかこういう現実を他人事にとらえようとする人がいるが、向陵生300名のうち、「札幌公立TOP5校に進学する100名に関係してくる」こと。円山アカデミーは、「子どもたちの未来」のために「正しい情報(現実)」をこれからも伝え、「札幌公立TOP5校を見据えた学習塾」としてあり続けたいと思います。