「北大に落ちたら札予備」という時代

 こんにちは!円アカです!

 

 札幌公立TOP5校を卒業した40代~50代くらいの小学生・中学生の保護者様世代の方には、懐かしい言葉ではないかと思います。円アカの保護者様とお話をしていても、やはり札幌公立TOP5校を卒業されている方からは時折出てくる言葉で、この感覚のままの方は相当数いらっしゃるのではないかと経験上ですが感じます。

 

 ですが「北大に落ちたら札予備(今の河合塾)」。この感覚は今も通用するかと言うと、残念ながらその時代はもう終わったのではないかと思います。それはなぜか。

 

 北海道大学では、2011年度入試より従来の学部別入試に加え、「総合入試(文系・理系)」を導入しました。総合入試とは、学部ごとではなく文系・理系の大きな括りで入学し、入学後1年間教養科目や基礎科目を学んだ後、本人の志望と成績に基づいて学部・学科に移行する制度で、学生の学部選択におけるミスマッチを解消する取り組みとして導入されています。導入から10年以上が経ちますが、「全国」から数多くの受験生を毎年集めています。

 

 また、道内出身の受験生が、特に後期日程で相当苦戦をするケースがかなり目立ちます。それは、前期日程よりも倍率・難易度ともに高くなることも一因ですが、やはり全国的な後期日程の廃止や縮小の動きが影響していると考えられます。旧七帝大(旧帝国大学)における後期日程の募集状況が後期日程を実施している学部数および募集人員が多いのは北海道大学と九州大学の2大学のみで、その他の大学は後期日程を実施していない、もしくは実施していても募集人員が極端に少なくなっています。もともと北海道は大学受験において、全国でもトップ3に入るくらい地元志向が強い傾向にありますが、北海道大学の後期日程は北海道外の学力の高い受験生の受け皿となっており、前期日程で東京大学など難関大学の受験生が、後期日程で北海道大学に出願するケースが目立ち、北海道内の受験生ははじき出されてしまっています。

 

 北大の総合入試が始まる前の入学者の割合は「道内5:道外5」でしたが、こういった背景から、今現在は「道内3:道外7」となっており、極端な言い方をすると、北大は、「北海道にある、道外の生徒のための大学」になってきていると言えます。あくまで自分の塾講師20年くらいの経験則ですが、保護者様の熱量は生徒にそのまま伝わる。つまり、周りの大人たちが「道内5:道外5」の時代の感覚でいるからこそ、「道内5:道外5」が「道内4:道外6」になり、今現在は「道内3:道外7」と道内の生徒の入学者が減ってきているのではないでしょうか。もし札幌公立TOP5校に進学をして北大以上を目指すことを目標にするならば、今の小学生・中学生の保護者様世代はこの現実をきちんと受け止めて、自分たちの時代と同じ感覚(北大に落ちたら札予備)で勉強をしていても通用しないということに向き合っていかなければいけないのではないかと思います。