「見据える」という意味

 お久しぶりです!円アカです!

 

 灘中学校・高等学校という学校が兵庫県にありますが、この学校は皆さんが知っている日本でも代表する進学校です。この学校の中学生の3年間の数学は「中学1年生で終了する」という話は有名ですが、その話だけを聞くと「すごいな~」という感想を持つかたが多いと思います。しかし、これには「背景」がきちんとあります。

 

 まず灘中学校に合格している小学生は、浜学園さんが多いのではないかと思いますが、「中学受験用の算数」を勉強して合格を勝ち取ります。そして、「中学受験用の算数」が、この「背景のポイント」になってきます。「中学受験用の算数」は、「小学生で習う知識の範囲内で中学生の数学を工夫して解こう」というのが概ねの内容です。「中学受験用の算数」=「自分の志望中学校に合格するための教科」と一般的には思われますが、実はそれは「一つの側面」に過ぎません。では、具体的にご紹介をしていきたいと思います。

 ご覧になってどうでしょうか。一部ですが、問題の例を取り上げさせていただきました。このように「中学受験用の算数」は「中学生で勉強する数学」、「高校生で勉強する数学」に繋がっているということがわかると思います。先ほどの「灘中学校の数学」にお話を戻しますが、これが「背景」です。つまり、「中学受験内容の算数」で「中学生で勉強する数学の大部分」を「一度勉強している」ので、灘中学校の中1の生徒からすると「一度小学生のときに勉強したこと」と思うはずです。そして、「中学受験用の算数」のほうが、「中学生の数学」や「高校生の数学」より、「小学生が勉強をする」ので「知識に制限」があります。ということは、問題を解くためには、知識に制限があり「工夫」をしなければならないので、同じ単元を勉強するときには「中学生の数学」のほうが「易しく感じる」はずです。そうすると「数学を速く進める」ことができる。これが「中学生の数学を1年で終わらせる」ための「背景」です。

 

 そして、こういう考え方は、札幌公立TOP5校(特に東西南北)に進学するときにも「必要」であるということです。以下のグラフをご覧ください。

 「北海道大学」は「札幌公立TOP5校に進学したご本人・保護者様」の大部分が、「札幌公立TOP5校に進学できた=北大以上に次は合格できる」と思われているのではないかと思いますが、残念ながら違います。上記のグラフからわかる通り、「道内の高校生は地元志向が全国的にも強い」にもかかわらず、「北海道大学の合格者の道内出身者は年々減り続けている」ということが言えます。

 

 そして、2つのグラフの動き方が何か不自然です。普通は「地元志向が強い」から「北大の合格者は増える、または横ばい」となるはずです。でもそうはなっていません。つまり、「不自然な動き」になってしまう「原因」が何かあって、少しずつ減り続けている。「原因=今現在足りていないもの」となると思いますが、東京都のある進学塾の入塾テストは、新中1の高校入試に向けたクラスの入塾テストの数学は「中学受験内容の算数」と聞いたことがあります。その点数で「クラスのふるい分け」が行われます。ですが、残念ながら、北海道ではこのようなことを一度も聞いたことがありません。つまり、将来的に難関大学を狙えるような高校を目指す関東地方の小学生は、「中学受験をしようがしなかろうが中学受験用の算数を勉強している人が多い」ということが言えるのではないかと思います。将来の大学受験で、難関大学を目標にすると考えると、この時点で、「差がついている」のは容易に想像がつくのではないでしょうか。

 

 ですが、北海道で「中学受験内容の算数」を勉強しようとすると、「中学専門の学習塾」に通塾しなければなりません。なので、「通塾するためのハードルが高く」なってしまいます。しかし、円アカでは、向陵中進学コース(トップクラス)の通常授業では、「SAPIXメソッド コアマスター」を使用していますので、中学受験をするかしないかに関係なく、「中学受験内容」を勉強することができます。そして、「中学受験内容の算数」は今ご紹介した通り、「中学生の数学」、「高校生の数学」を小学生で習う知識の範囲内ではありますが、「同じような問題」を小学生のうちに一度勉強をできます。しかし、「最大のメリット」は別のところにあると思っています。

 

 それは先ほどもお話をしましたが、「知識に制限がある」ので、「工夫をして解かなければならない」ということです。「工夫をする」ということは、円アカでは「未来につながる5つの力」と定義していますが、そのうちの「応用力・発展力」に繋がっていきます。小学生で言えば「中学受験用の算数」、中学生で言えば「駿台中学生テストの数学」、高校生で言えば「難関大学の2次試験の数学」のような「難易度の高い算数・数学」で「一番求められる力」は、「正確な知識力」も大事ですが、やはり「粘り強い忍耐力」です。英語のように数学は、どんなに知識があっても解けません。円アカの保護者様で「先生、自分もそうだったけど、大学受験のときに北大みたいな2次試験の数学は、『わからない』と思いながら問題を解き、部分点を取っていって、7割くらいの点数にするのが一般的だよね。そのためには『耐力』が必要だよね。そういうことをコアマスターを通じて自分の子どもに学んでほしい」と仰っていたかたがいました。そのお話を聞いていたときに「まさしくその通り!」と思った記憶があります。「粘り強い忍耐力」、つまりは「耐力」を身に付けるためには、設問(問題文)からわかることから「図に起こす」、「表に書く」などの「工夫する力(応用力・発展力)」が必要です。

 

 「数学」の観点からいくと、「見据える」ということは、「粘り強い忍耐力=工夫する力(応用力・発展力)」を身に付けることに尽きると思います。こういうお話をさせていただくと、「レベルが高い話」と仰るかたがいますが、本当にそうでしょうか。向陵中学校から、札幌公立TOP5校に進学するのは、1学年約300名から約100名です。つまりは、1学年の300名のうち「約3分の1の向陵生に関係してくること」と言えます。そして、あくまで自分の約20年の塾講師の経験からですが、今現在思っていなかったとしても、「札幌公立TOP5校に合格=北大などの難関大学に合格」と、高校に進学後に思い始める保護者様はかなりの割合でいると思いますし、円アカの保護者様で「札幌公立TOP5校に進学後に行われる進路希望調査書には、例え学年順位が下だったとしても、難関大学しか書けないよね。」と仰っていたかたがいました。その通りだと思います。勉強の観点から考えると、そうでなければ何のために札幌公立TOP5校に合格したのかわかりません。ですが、その希望を叶えるためには、「小学生・中学生での下準備(見据える)」が、今お話をした通り「理想である」ということです。

 

 向陵中に進学予定の小学生の皆さん、そして向陵生の皆さん、どこまでを想定して勉強しますか。もちろん、「道コン」、「中学校の定期テスト」で「点数を取る」ことも非常に大事です。ですが、もし札幌公立TOP5校に進学をして、「北大などの旧帝国大学のような難関大学を目標にしたい」ならば、今お話をした通り、それだけでは「不十分」であるということです。これから新学期が始まります。「下準備をして札幌公立TOP5校に進学をするか」、それとも「下準備をしないで札幌公立TOP5校に進学後に「出たとこ勝負」をするか」、円アカでお待ちしています!